小暮智美blog ~ともの とことこ 舞台日記~

劇団青年座所属 女優7人演劇ユニット『On7』も自主運営 福島県会津若松市観光大使

ご冥福をお祈りいたします。

今日は青年座の西島大さんの葬儀でした。


本当におバカなことに私は自分のミスで伺うことが出来ませんでした。西島さん本当にごめんなさい。


西島さんは、私が劇団の研究生になった時に、研究所の所長をなさっていらっしゃいました。
私は2年目の実習科からの入所で、西島さんが皆に「別に芝居がいいとかじゃないけれど入ってきた」と言って頂き...そのときは何だかよくわからなかったけれど、次の日からの研究所ライフは、とても無理なく入っていけたようなきがします。


そして、劇団での初舞台にはお花を一輪下さいました。これは初舞台を迎えた記念に皆にしてくださっていたようです。


いつかの飲み会のときには、
「今、絶対観ておいたほうがいい芝居とか絵とか音楽とかありますか?」
と私が西島さんに質問したら、
「そんなものは自分で決めるんだ。自分が興味があるものそれが観るべきものなんだ。そしてそれを一生懸命、観続ければいいんだ」
その時は、私は西島さんの好きなものが聞きたいのに〜。と思いましたが、今でもこのやり取りが忘れられないのは、きっと私には欠けている部分なんだと思います。


青年座の戯曲研究会(過去の作品をいろんな角度から読んでいこう!青年座所属であれば誰でも参加オーケー!そんな感じの会!)で西島さんの作品「昭和の子供」を取り扱ったことがあります。
その会には西島さんも参加してくださいました。目の前に作者が居るわけですから、その時の時代のこと、劇団のこと、色々お話してくださいました。
質問の一つに「上演するならばこんな風にしてほしいとか、ここだけは外さないでほしいとか、ありますか?」という質問がありました。
そしたら「好きにやればいい」と...。



うまく言葉では説明できないけれど、きっとこれからも私の西島さんの記憶は少しづつ形を変えて、私に語りかけてくれるんだ。そのたびに感じるものは違うんだな、きっと。でも、違わないかも?しれない。ものじゃない、お金じゃない、目に見えないものを沢山、知らないうちにプレゼントしてもらってるんだ。ただ、おバカだから、ご存命のときは気づかない。このきっかけさえも与えてくださっているんだな。本当に感謝だ。


お願いだから、智美さん、少しはこういうプレゼントが感じられる自分で居てください。

はい!



心から西島さんのご冥福をお祈りします。
本当に本当にお疲れ様でした。